うそ〜。
あとちょっとなのに…!
絶望的な気分。
改めて自分の背の低さを恨んでたときだった。
「おい、ハム子!」
名前を呼ばれたと同時に、グイッと誰かに腕を引っ張られて振り返った。
すると、
「…緒方くん!!」
それはそれは、背の高い緒方くんがいた。
救世主!!
「緒方くん、お願いです!
あの牛乳のボタン、押してくれないかな?」
私はそう言って、1番上にある牛乳のボタンを押す。
「あっ?自分で押せよ……って。
チビだから無理だったのか。……ぷっ」
……笑われた。
ていうか、さっきは人だかりで苦しかったのに、全然苦しくない?
もしかして、緒方くんが守ってくれてる?


