「お……緒方くん!?」
天井が見える目の前に、緒方くんがいる。
私がびっくりしていると、
「それ。やめろ」
緒方くんは、そんなことをつぶやいた。
「えっ?」
「その、〝緒方〟って呼ぶの、やめろ。
下の名前で呼べ」
「え……」
下の名前って、陸って呼ぶってこと?
そ……そんなの……。
「無理だよ!!」
「なんで?」
「だって、ずっと緒方くんって呼んできたのに、急にそんな……下の名前なんて…恥ずかしすぎる……!」
「なんだよそれ……。俺はハム子って呼んでるのに……。つーか付き合ってるのに、苗字はおかしいだろ」
ムスッとぶっきらぼうにむくれてる緒方くん。
「それは……!!」
……ぐっ。
何も言えなくなる。


