「な……なんで笑うの!」 「いや……。今の俺は、落とすの大変だと思うけど、せいぜい頑張れば?」 「言われなくても、やってやるし!」 あー。 おもしれぇ。 なんか、やっと前向けたかも。 ずっとキミ子ばっかだった俺の頭の中に、さっきの雅の真剣な表情が思い浮かぶ。 こいつ、計算うまいけど案外不器用だよな。 それが結構可愛いところだったりするけど。 「じゃ、俺帰るから」 「えっ!待ってよ!あたしも一緒に帰る!」 テンパりながら、雅は俺に必死についてくる。