「…………っ」
…………好き。
好き。好き。大好き。
気持ちが、溢れそうになる。
何度もなくそうとした、この気持ちが。
「困らせてばっかでごめんな。でも俺、諦めねぇから。絶対にお前を、奪い返してみせるから」
緒方くんはそう言うと、無邪気な笑顔を見せてくれたんだ。
私の大好きな、あの笑顔を。
「じゃーな」
そして、教室から出て行ってしまった緒方くん。
瞬間、私はその場に泣き崩れた。
「うぅ〜〜……」
涙がとめどなく溢れる。
まるで、溜め込んでいた気持ちが全部溢れるかのように。
私の〝好き〟って想いが、静かな教室の中で全て溢れた。
緒方くん。
……私、どうしたらいい?