「男ならグズグズすんなっ!自分の好きな女くらい自分で守れ!!
自分のせいで傷つける?そんなもん、知らないよ!一度守れなかったくらいで逃げんな!このヘタレ!!」
廊下に雅の怒り声が響いた。
シーンっと静まり返る。
周りにいた数人の生徒は、なにごとかとこっちを見ていた。
……そうだな。
雅の言う通りだ。
別れを選んで、俺は逃げてた。
もうハム子が、傷つかないように。
そして、ハム子の傷ついた姿を見て、俺も傷つかないように。
違う。
俺が本当にしたいのは、逃げることじゃない。
俺の手でハム子を守って……ハム子を笑顔にしたいんだ。
「サンキュー雅。やっと目ぇ覚めた」
「……おっそ。……寝言は寝て言え。ばぁか」
「ふっ。お前も口が悪くなったな」
なぜかおもしろくって、笑ってしまった。
すると雅も、優しく微笑んだ。


