……そうなんだよ。
ハム子はいっつも、俺に元気くれるんだ。
前向きで明るくって、強いところに、ますます惹かれてった。
今じゃ離れたこと後悔するくらい、ベタ惚れなんだよ。
あぁ、俺……後悔してんだ。
「バカだ……」
思い浮かぶ。
別れるときの、ハム子の悲しそうな目。
俺を引き止める小さな体。
そして、最後と決めて落とした……愛しいキス。
「バカだ俺。
……なに自分から失くそうとしてんだよっ!!」
悔しすぎて、俺はフェンスを殴った。
ガシャンッという音と共に、俺の手にズキズキとした痛みが走る。
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