「人は誰だってそーだろ。情けなくて当然なんだよ。でもだからこそ、お互い支え合うんじゃねーの?」
吉田の言葉にハッとして顔をあげた。
あぁ、そうか……。
俺は変わってねぇな。昔から。
なにかを守りたくて。
大切なもの失いたくて。
ケンカとかしてきたけど、それは無意味だった。
むしろそれが、いろんな奴を傷つけてきた。
「……中学の頃は、翼に守られて。高校では、ハム子に守られて……。
それなのに俺は何も守れなくて…。
大事なやつばっか、傷つけてきた…」
情けない。
翼に言われて、ますます情けなくなって。
俺は、逃げたんだ。
「本気でそう思う?」
「えっ?」
「俺は、お前といる時のキミ子ちゃんが、辛そうに見えるときなんてなかったよ。
むしろお前のために一生懸命頑張ってて、前向いてて、かっこよかった」


