真っ直ぐに伝えてくれるその想いに、戸惑ってしまう。
「……どうして、私なの？」
「えっ？」
「私にいいとこなんて、なにひとつないのに」
だって本当にないもん。
好きになる要素なんて、どこにもない。
むしろ翼くんには迷惑をかけてたぐらいだ。
嫌われててもおかしくない。
なのに、なんで私なんだろう？
「お前はすげーよ。
初めて会ったときは、なんだこいつって思ったけど…。
……つぇーなって思った。無理して、全部自分でなんとかしようとしてさ」
「そんなこと……」
ないよって言おうとすると、言葉を遮られた。
「でも、そんことなかった。強いけど、弱くて……。
泣き顔見たとき、俺が守りたいって思った」
「…………」
翼くんは、そんなことを言って恥ずかしくないのだろうか？
いや、恥ずかしいに決まってる。
だってその証拠に、顔が真っ赤だ。
でも言われてる側の私だって、めちゃくちゃ恥ずかしいよ。
