「翼くん!私なんかに気を使わずに、食べて!
翼くんはアイス大好きだもんね!」
「はっ?なんで俺がアイス大好きなんだよ?」
「えっ?だって……。
前、夏休みのときにここで会ったとき、私のアイスをジーって見て、譲ってとも言ってたし……」
そうそう。
あの時、翼くんはイチゴのアイスが大好きなんだなぁ〜って、思ったよ。
緒方くんは、なんか変なこと言ってたけどね。
「…………はぁぁぁ〜」
すると私の言葉に、翼くんは盛大なため息を吐いた。
息継ぎなしの、超長いため息を。
「お前って、ほんっっっっっとうに鈍感なんだな」
もう呆れたを越えたような目で私を見てくる翼くん。
「なっ……なんでそうなるの!?」
私のどこが鈍感っ!?
確かに走るの遅いし、考えなしに行動しちゃうけど…。
翼くんがアイス食べたいってことに気づけたんだよ!?


