なんで……?
なんで、翼くんがいるの?
なんだろう、このデジャヴ感。
……あっ。
そう言えば、梅雨の時期で雨が降ってたとき、翼くんが傘を返しにきたときも、こんなだった気がする。
私は緒方くんと雅先輩から走るように逃げて、翼くんに気づかずに通り過ぎようとしてたんだよね。
でも、今回は私が先に気づいたから。
「翼くんっ!」
私は駆け寄り、校門にいる翼くんに声をかけた。
「あっ。キミ子」
翼くんも、私に気づく。
そしてすぐに、眉尻を下げた表情をする。
「…もう、大丈夫か?」
「えっ?」
「あの時、俺先に帰ったから……」
……そっか。
翼くんは、わざわざ私を心配して来てくれたんだね。
優しいなぁ…。
「うん、大丈夫だよ」
あの先輩達のことは、思い出せば怖いけど、翼くんが助けてくれたからもう大丈夫。
むしろ……
辛いのは緒方くんのこと。


