「ハム子」
俺はハム子の名前を呼び、ハム子のもとへと行くと、小さな体をギュッときつく抱きしめた。
「……えっ!緒方くん…!?」
俺の行動に驚いてるこいつ。
力任せにただ、抱きしめたって……ハム子を守ることはできない。
だから……
「……別れよう」
これでいいだろ?
これでハム子を守ることができる。
傷つけてばかりでごめんな。
「……な、んで?」
ゆらゆら揺れる瞳が、俺を見つめた。
「やっぱハム子と俺は、合わねーんだよ。こういう風にできてんだ」
「…………私のせい?」
違う。
そんなわけないだろ。
「俺のせい」
俺が弱いせいだ。
なぁ、頼むから。
泣くなよ。
離したくなくなるだろ?
「やだ。……いやだ」
ハム子は顔をぶんぶん横に振る。