「翼くん……!やめて!」
ハム子が翼を止める。
あー……もう、情けねぇ。
なにしてんだよ、俺は。
またハム子が俺を守ろうとしてる。
おかしいだろ。
傷ついたのは、お前の方なのに。
なんで俺を責めないんだよ……。
悔しくなりながらも、俺は顔を上げて翼を見つめた。
翼は真っ直ぐに俺を見て、口を開く。
「お前にもう、任せられねぇ」
翼の気持ちなんて、とっくのとうに気づいてた。
それでも俺は、ハム子を譲る気なんてなかった。
……今日までは。
「キミ子傷つけんなら、俺がもらうから」
耳もとで俺にしか聞こえないようにつぶやくと、翼はスタスタと歩いて出て行ってしまった。


