「翼くん」
「ん?」
「ありがとう」
「えっ?」
キミ子は俺から少し離れると、優しく微笑みながら礼を言った。
「すごく感謝してる。いっぱい助けてもらって……。また、迷惑かけちゃったね」
へへっと弱々しい笑みを見せるキミ子に、俺の心臓がギュッと熱くなった。
…………俺がお前を守りたい。
「なぁ、陸はどうしたんだよ?なんでお前がこんな目にあってるのに、そばにいない?」
「……あっ。緒方くんは……補習の居残りで」
…補習かよ。
それでこいつのそばにいないとか、理由がふざけてるだろ。
「さっきの男たちがお前を襲おうとしたのは、陸が絡んでんだよな?」
「…………」
何も言わずにうつむくキミ子。
それで陸をかばったつもりか?
悪いけど、俺は陸を許さない。
キミ子を抱きしめる腕をゆるめると、ポケットからケータイを取り出した。


