「いやだ。お前の鼻水たれた泣き顔なんて、見たくねぇんだよ」
「なっ!……ひど!!」
「だから、目の腫れがおさまるまでこのままだ」
「えぇっ」
それらしい口実見つけて、こいつを抱きしめたいとか、離したくないとか思ってる自分。
アホらし。
どんだけ惚れてんだよ。
「そういえば……なんでここが分かったの?」
キミ子は顔だけあげて、聞いてきた。
泣き止んではいるけど、目が赤く腫れてる。
それすらも可愛いとか思っちまった。
「別に……。たまたまここら辺に用があって来たら、お前っぽいやつ見つけて…。
変な奴に連れて行かれるの見て、急いで追いかけてきた」
「……そっか。そうなんだ…」
キミ子は納得したみたいだけど、違う。
わざとだった。
あそこに行けばハム子の帰り道だから、ハム子にまた会えるって思った。
だから、今日あそこへ行った。
今日ハム子が来なかったら、明日も来るつもりだった。


