「おーい!!ふたりとも来いよ〜!!」
すると吉田くんが、私たちに向かって大声で呼びながら手を振っている。
私は心臓がドキドキとうるさいなか、ハッとした。
「よし、行くか。あいつらのとこに」
隣に座ってた緒方くんは、スッと立ち上がり一歩階段を下りる。
まだボーッとしてる私に、緒方くんがかがんで顔を覗き込んできた。
「いひゃっ!」
そして、なぜかおもむろに私の右頬をつねる。
私はやっとそこで、ハッと我に返った。
「翼の話はもう終わり。俺しか考えられないくらい、キスしてやるよ」
そして、右頬をつねっていた手は、優しく包み込む大きな手に変わっていて。
「…最後にもっかい」
──チュッ。
顔を傾け、触れるだけのキスをすると、
何事もなかったかのように階段を下りて行く緒方くん。


