「あーもー。キミ子、あんた可愛すぎ。大好き」
環ちゃんが、ギュッと私を抱きしめてきた。
いきなりでびっくりしたけど、環ちゃんいい匂い…!!
「私も好きだよ!」
嬉しくって、私も環ちゃんを抱きしめ返した。
「おいこら環。俺のハム子取るな」
すると緒方くんが私たちのもとへ来て、私の腕を掴む。
「うるさい黙れ緒方。なんでこんな純情なキミ子があんた選んだのか分からなくなってきたわ」
「お前、口悪いぞ」
「あんたはいちいち友達にまで嫉妬してめんどいのよ」
な……なんか言い合いになってる!?
「ふ…ふたりとも!早く花火しよ?ねっ!?」
これ以上悪化したら、せっかくの花火が台無しになってしまう!
私はふたりを必死になだめた。
「ハム子はこっち」
緒方くんは、私の手を掴んで環ちゃんから私を離す。
「まっ、せっかくなんだからふたりでも楽しまないとね」
環ちゃんはふっと笑うと、花火をひとつ手に取って火をつけに、行ってしまった。