「まぁいい。絶対にお前だけは誰にもやらねぇし。
よそ見すんなよ?俺だけ見てろ」
私を覗き込むようにして、甘く低い声を漏らす緒方くん。
至近距離に、心臓がドキドキする。
なにかを勘違いしてるみたいだけど、
私のことをそんな風に大切に想ってくれてるなんて…。
恥ずかしいけど、すごく嬉しい。
「そんなの当たり前だよ。私が好きなのは緒方くんです」
ここでなぜか敬語。
好きって単語を言うのは、ちょっと緊張しちゃって肩の力が入ってしまう。
「まじ反則」
そんなガチガチな私の肩に手を置き、緒方くんは覗き込んだ目を閉じて、チュッと触れるキスをした。
「……っ!?」
「……ははっ。顔、真っ赤だな」
反則なのはどっちだろう?
こんな道ばたで、優しいキスして…。
最後に、私の大好きな笑顔を見せてくれる。
それだけのことが、すごく幸せ。
これからも、緒方くんの隣にいられるといいな。