アイスを食べて冷えたはずなのに、顔はみるみるうちに熱くなってしまう。
もう、心臓に悪いからやめてほしい…!
そう思ってた矢先。
「お前もこれ食う?」
緒方くんは自分のチョコアイスを差し出してきた。
「えぇっ!?」
びっくりして、思わず叫び声のような奇声をあげて振り返っちゃった。
「なんだよ?」
怪訝そうに緒方くんに見られる。
うぅ…。緊張してるのは私だけか……。
でも、アイス好きだし…。
「…食べます」
「ぷっ。なんで敬語?……ほら、ん」
緒方くんは無邪気に笑いながら、アイスを差し出してきた。
私はそれを、遠慮がちにパクッと食べる。
甘いチョコの味が、口の中で溶けていく。


