そして、やっと帰ることになった私たち。
「まじでひでぇ。熊田」
緒方くんは、まるで拗ねてる小さな子供みたいに、ブツブツ文句を言いながら歩いてる。
「最後の最後に、プリントっていう強敵が現れたね!」
「ん。ありがとな、ハム子。毎日来てくれて」
「ううん!私も勉強できたし、良かったよ」
「あれだな!補習終わったし、自由だな!!」
「そうだね」
「夏休みだし、暇になるな!」
「ホントだね!」
そうだ!
クーラーがある部屋で、冷たいものでも食べながらゴロゴロできるよね♪
なんて、そんな想像を膨らませてると…。
「……おい。わかってんの?」
緒方くんは、悩める人かのように盛大なため息をはいてそう聞いてきた。