「他の奴に騒がれたりしても、なんも嬉しくねーし。
お前がそばにいれば、それだけでいいんだよ」
「……緒方くん…」
緒方くんの言葉は不思議。
私のモヤモヤを、一瞬で払いのけてくれる。
「つまんねーこと考えんな。ほら、帰るぞ」
そう言って、強引に私の手を掴む緒方くん。
でも、その手は大きくて、優しくて。
私の全部を、包み込んでくれた気がした。
「早く補習とか終わらせて、どっか行こーぜ!」
さっきは緒方くんの後ろ姿を見てたけど、今では隣に並んでる。
さりげない優しさに、私の胸はいっぱいになった。
「……緒方くん、大好き」
「ん。俺も」
やっぱり緒方くんには、とうてい敵わないな…なんて。
そんなことを思いながら、手を繋いで帰り道を歩いてた。