私とは対照的で、とても遠くに感じていた緒方くんだけど、
すぐ隣にいる笑顔の緒方くんを見ると、今では近くに感じることができる。
緒方くんは、ダンボールの中にいた白猫を抱き上げた。
「んにゃー!」
猫が緒方くんにじゃれてる。
ペロッ頬を舐めていた。
「うわっ!くすぐって!!
やめろってー!!」
ケラケラ楽しそうに笑う緒方くんと、じゃれあう猫ちゃん。
そんな姿が可愛くって、つい頬が緩んでしまった。
「あっ。そうだ!ハム子!」
……うぅ。
もう緒方くんの中では、私は〝公子〟ではなく、〝ハム子〟なんだろうなぁ。
それは悲しいので、訂正してもいいかな?
き……キレられるかな。


