───ガラッ。
いきなり教室のドアが開いてびっくりする。
「ん?まだふたりともいたのか〜。緒方は勉強、進んだか?」
入ってきたのは、担任の先生こと熊田先生だった。
私はバクバクとうるさい心臓を、胸を押さえながら落ち着ける。
「おい熊田。この数字なんだよ。英語が入ってて、計算とかできねーよ!」
「いや、それはxだよ。なぜか計算できるんだよ」
先生は私たちがいる席へと近づき、机に広がってるプリントを覗きこんだ。
そして、はぁっ…とため息をつく。
「…………うん。進んでないね。今日はもういいから、それは家でやって来なさい」
「よっしゃ!!」
緒方くんはその言葉に、喜んで数学の教科書を鞄にしまい込んだ。
って言うより、投げ込んだ。
緒方くん、教科書痛いって泣いてるよ。
「明日も学校に来て、続きするから。じゃ、気をつけて帰れよ〜」
「ハム子、帰るぞ!!」
勢いよく椅子から立ち上がると、先生の言葉を無視して私にそう言ってきた緒方くん。
先生は私の肩をたたきながら、『緒方の勉強、頼んだ』なんて無責任なこと押し付けてくる。
とりあえず一礼してから緒方くんを追いかけて、教室をあとにした。


