「お前は勉強しか頭にねーの?」
髪に触れていたはずの大きな手が、いつの間にか頬に伸びてきていて。
「……っ!」
包み込むような優しいその手に、戸惑ってしまう。
「俺はお前とキスしたいんだけど。つーか、それしか頭にねぇ」
「えっ!?」
き……キス!?
「ハム子」
名前を呼ばれたけど、私は目を伏せる。
「こら、下向くな。こっち見ろ」
「だめっ……」
だって絶対、顔真っ赤だし……。
「顔あげろって、言ってるんだけど」
「……むっ…無理……きゃっ!」
頬に添えていた手は、強引に私の顔を上げた。
緒方くんの整った顔が近すぎる距離にあって、うるさいくらいに心臓がドキドキ騒ぎ出す。


