そんなことを、パンク寸前の頭で考えてると…。
───グイッ。
「っ!」
突然腕を引かれ、私の体は緒方くんの胸の中に委ねられていた。
そして、その大きな力強い腕にギュッ抱きしめられる。
「……緒方…くん?」
「ふざけんな。そんな不意打ち、ずりー……」
ふ……不意打ち?
「お前は、吉田とか翼にばっか笑った顔見せるくせに、俺からは逃げるし。
まじムカついた」
耳もとで言われたその声に、私はピクッとしてしまう。
「それは…恥ずかしくて……。自信なくて……」
「もういい。やっと、俺のもんになったし……我慢できねぇから」
緒方くんは、抱きしめる腕をゆるめ、今度は私の頬を手で包み込む。
お互い瞬きもせずに、目と目が合う。


