【完】ハムちゃんが恋したキケンなヤンキー君。





いきなりすぎる告白に、目を見開く。




…………俺はいつも、雅ばっか見てた。


中学の頃から…ずっと。




でも……。





「雅、ごめん。俺、ハム子が好きだ」




雅の言葉が、嘘でも本当でも、この答えは変わらない。





「……っ」



悲しげに顔をゆがめた雅。




「俺は、ハム子を信じてる」




あの頃の気持ちとか、未練とかは、もうない。



今あるこの気持ちが、なによりも大切。



守ってやりたい。


ハム子の笑顔を。






────カタッ。



物音がして、思わず振り返る。




すると、机で眠っていたはずのハム子が驚いた顔でこっちを見ていた。


やっと起きたみたいだ。

しかも、このタイミングで。



頬が少し赤いのは、たぶん気のせいじゃない。




どこからか吹いてきた風が、俺たちの髪を揺らした。




「陸っ!」



雅に名前を呼ばれるのを無視して、


俺は窓を閉めてから、ハム子のもとへと歩み寄った。