目の前にいるハム子の唇は、柔らかそうで。
キスしようと、唇を近づけてみる。
すると……。
───キーンコーンカーンコーン♪
学校のチャイムの音が鳴り響く。
俺はビクッとして、瞬殺で起き上がった。
……このタイミングで邪魔が入る。心臓にわりぃ。
チャイムが鳴ったってことはそろそろ球技大会も終わりか?
俺は落ち着きながら、時計を見た。
窓の外が騒がしくなってきてる。
俺は席から立ち上がり、3階の教室から窓を開けて外を見た。
案の定、球技大会は終わってたみたいで、体操服姿の生徒達が帰ってくる。
そろそろハム子を起こさないと、ヤバイな。
この寝顔、見られちまう。
そう思ってた矢先、
「陸っ!!」
ぞろぞろと歩いてる集団の中、ひとりだけ上を見上げて俺の名前を呼んだやつがいた。
…雅だ。


