「気づいてるか?ハム子」
目の前で眠ってるお前に聞いても、返事なんて返ってくるわけない。
でもな。
「俺は、お前が好きだよ」
お前を困らせるって分かってても、俺は何度でも言うからな。
覚悟しとけ。
…そういえば、さっきの言葉。
『あの噂……雅先輩が原因なんだよ……』
噂って、黒板に書かれてたやつのことか?
あれも雅がやったのか?
こいつは今まで、俺は雅が好きだって思ってたから…。
だから誰の仕業か分かってたクセに、言わなかったのかもしれない。
言えなかったのかもしれない…。
『緒方くんは、信じてくれる…?』
ハムスターみたいに小さいクセに、なにもかも全部ひとりでかかえこむこいつが、初めて弱い部分を見せてくれた。
それが、すっげー嬉しかった。


