緒方くんの手。


気持ちいい……。





「……噂……先輩だよ……」




「えっ?」




ごめんなさい、もう限界だ。



私は机に伏せるようにして、ゆっくりと目を閉じた。





「あの噂……雅先輩が原因なんだよ……」



ねぇ、緒方くん。




「緒方くんは、信じてくれる…?」






私のこと、信じてくれる?


それとも、雅先輩を信じるのかな。




私ね。


それだけが不安なんだ…。






結局、答えは見つからなかいまま…。




「眠いんなら寝ろよ。俺がここにいてやるから」




その言葉で、魔法にかけられたかのように私は眠りについた。