「……っ」
どうしよ……。ズキズキ痛む…。
さっきと同じ鈍い痛みが、後からきた。
「…どうした?痛むか?」
いつも私の後ろに座る緒方くんが、前の席に座った。
そして、私の方へ椅子だけ向ける。
「大丈夫……だよ」
「だから、大丈夫じゃねーだろ」
心配そうに私を見つめる緒方くんが、手を伸ばしてきた。
そっと後頭部に触れ、包み込むようにその部分に手の温もりを感じる。
大きくて、優しくて、温かくて。
なんだか心地よくて、眠たくなってきた。
そう言えば、ろくに運動もしない私が、今日はいっぱい走り回ったもんね。
「お前、さっき以外に、他にも雅になにかされたか?」
ウトウトしてきた今、そんな質問をされた。


