「行くぞ」
そして、ザワザワとする体育館の中、私は緒方くんにお姫様抱っこされながら、保健室へ向かった。
が。
「ごめんなさい。バスケの試合で倒れた子が多くって、ベッド空いてないの」
保健室の先生にそんなことを言われた。
バスケで倒れたって言っても、ベッドがなくなるなんて、多すぎじゃない?
「は?あいつら全員、俺と試合してへばってた奴らじゃん」
緒方くんはキョトンとした目で、保健室にいる男の人たちを見る。
原因はお前か!!!
「ちっ。ベッド空いてねーんじゃ休めねぇな」
保健室を諦めて、現在、スタスタと廊下を歩いている緒方くん。
「緒方くん、私は本当に大丈夫だから。戻っていいよ?」
ていうか、そろそろおろして欲しい。
恥ずかしすぎて、心臓もたないよこれ。
「なんで分かんねぇんだよ。俺がお前のそばにいたいんだよ」


