それから、私と緒方くんは玄関へ向かった。
「じゃあな。気をつけて帰れよ」
「うん。ありがとう」
私はローファーを履いて、玄関の扉の取っ手を握る。
扉を開ける前に、振り返った。
「緒方くん、テスト受けれなかったけど、もしそれで夏休みに補習とかになったら、私も一緒に参加するね」
「えっ?あ…あぁ」
急にそんな話をし出す私に、驚いてる緒方くん。
テストを受けてない緒方くんは、少し遅くに受けることになる。
そして、おそらく球技大会のあとの夏休みで補習しなければならない。
「私もそばにいるから……。だから、また学校に来てね?」
不安だった。
私のせいで、緒方くんが学校をやめてしまったらって。
でも……。
「当たり前だろ?
お前がいるのに、行かねーわけねぇから」
無邪気な笑顔でそう言ったヤンキー君は、私の心を温かくしてくれた。