するといきなり、緒方くんは私を引き寄せると、私の体をクルッと回転させた。
一瞬のうちに、私は緒方くんに後ろ向き抱きしめられている形になる。
「お前、ちっせーなぁ」
「ちょっ!……緒方くん!?」
緒方くんは、さらに私をギュッと強く抱きしてきた。
背中に感じる緒方くんの体温に、ドキドキが止まらない。
「好きだよ、ハム子」
耳元にふりかかる甘い声に、顔が熱くなる。
やめて……。
期待しちゃう。
緒方くんは、雅先輩が好きはずなのに……。
もしも私が、『あの噂を流したのは雅先輩だよ』って言ったら、緒方くんはなんて言う?
『雅がそんなことするはずない』って、怒った顔で言うんじゃないかな?
それが怖い。


