どこからか鳴き声が聞こえて、ハッとする。
目の前の緒方くんは、驚いた顔をして私からバッと離れた。
その時の緒方くんは、耳まで真っ赤。
でも、それは私も。
すごくドキドキして、なんだかおかしくなりそう。
「にゃあ〜」
鳴き声の主は、玄関のとこまで来ていた、ハム子2号だったみたい。
そう言えば、あれからずっと緒方くんが飼ってるんだっけ。
「と……ととととりあえず、入れば?」
噛みまくりな緒方くん。
こんな状態でそんなこと言われても…。
さっきのこともあって、恥ずかしいから、無理です!!
「えっ….えっと……」
「にゃーっ」
私がためらっていると、2号がまた鳴く。
「ほら、2号もお前と遊びたがってるし……」
むむっ。
そんな風に、口実使われたら……。
あがらないわけ、いかないじゃないですか。


