でも…。
力強すぎて…!!
「緒方く……。ちょっと、苦し…っ」
「あっ。わり」
緒方くんは、パッと体を離した。
すると、すぐに緒方くんの手が伸びてきて、私の頬にそっと触れる。
優しく見つめる緒方くんは、眉尻を下げてか細い声で言った。
「……なにも、されなかったか?」
どんなときでも、私を心配してくれるんだね。
「緒方くんのおかげで、あの噂はされなくなったよ。
でも、私をかばったせいで、緒方くんは停学になっちゃった…。ごめんね……」
「んなもんどうだっていい。お前が無事なら、なんだっていいんだよ」
なんでそんなに優しくしてくれるの?
「そんなの、私がいや。緒方くんは、本当はすごく優しい人なのに……。
私のせいで、みんな誤解しちゃってる」
頬に触れる緒方くんの手に、自分の手を重ねた。
私のせいで、この手を傷つけた。
緒方くんは私を守ってくれたのに、私は緒方くんになにもできてない。


