────…。
ドキドキと心臓が騒ぎ出す。
私は今、緒方くんの家の前にいる。
インターフォンを鳴らすのに、かれこれ10分も向き合っていた。
「ふぅ〜……」
緒方くんと会うのは、あの学食でのケンカ以来だから緊張する。
でも、ちゃんと言うって決めたから。
私は人差し指で、インターフォンを押した。
───ピンポーン♪
…はっ!!
待って!
もし、これでお母さんとかがでてきたらどうするの!?
停学中の人に会いに来るなんて、無神経な子ね!?このチビ!!
とか、思われないかな!?
なんて、押した後から後悔して、ヒヤヒヤとしていると。
ガチャっと、目の前のドアが開いた。


