それからしばらくして、私が泣き止んでから、みんなは私の話を聞いてくれた。
「そっか…。雅先輩が、そんなことを…」
驚きを隠せないって顔をしてる、吉田くん。
「……まさか、キミ子が翼のこと知ってたなんてね。
でもそれで納得。雅ってやつは、翼のことになると必死だもん」
環ちゃんが、小さく頷きながらそう言った。
「うん。翼くんには、いっぱい助けてもらって…。
今回の件も、背中押してくれたのは翼くんなの」
「へぇ…!翼がねぇ」
意外そうな顔で、環ちゃんはそう言った。
「雅のやつ…。
陸だけじゃなくて…キミ子まで傷つけるなんて…許せない!!」
皐月ちゃん…。
みんなの優しさに、何度救われただろう?
でも、もう平気。
「もう大丈夫だよ。私、今はみんながいるから…。
噂も、緒方くんのおかげでなくなったし…。
今度は私が、緒方くんを助けに行く番だ」


