「緒方がケンカしたのは自分のせいだって、思ってんの?」
環ちゃんは問い詰めるように聞く。
私が言葉を返す前に、環ちゃんは続けて言った。
「あんた、なんにも分かってない!!
あいつは自分の意志で、あんたを守るためにケンカしたの!!」
……えっ。
「傍にいちゃいけない?んなもん、知らないよ!緒方はあんたに避けられても、あんたの傍にいたかったの!
それが分かんなかったの!?」
「…………」
環ちゃんの初めて聞く怒った声に、私は何も言えなかった。
「緒方だけじゃない。あたし達だって…」
何かを言いかけた環ちゃんは、ぐっと唇を噛み締めて、
クルッと振り返って歩き出してしまった。
「……環…ちゃん」
私は追いかけることもできずに、ポツリと名前を呼ぶ。