「んだよ、いってぇな!」
今日は運が悪い。
ぶつかったのは、ガラの悪そうな男の人だった。
しかも、そんな人が2人いる。
「ごめんなさ……」
私は目をギュッとつむって謝る。
「ん?こいつ、雅が言ってた女じゃね?
なんか、男好きとかいう…」
横にいたもう1人の男の人が私をジーッと見てそう言った。
「…えっ?」
「まじかよ?ラッキー。おい、相手しろよ。男ったらし」
そう言った男の人は、ふっと笑って私の腕を掴んだ。
そしてグイグイ引っ張りながら、歩き出す。
「ちょっ!!……やめてください!」
必死に抵抗しても、力が強くて離れられない!
私はキョロキョロと辺りを見まわして、必死に助けを求めた。
でも、誰も目を合わせてくれない。