授業が一通り終わり、昼休みになった。


それでも緒方くんは、帰ってこない。



ここにいても気まずいだけだし、購買でパンでも買いに行こうかな…。




うん、そうしよ。





そして私は席を立ち上がり、購買に向かった。



そして購買につくと、たくさんの人だかりで溢れていた。


気を引き締めないと、流れてしまいそうになる。



「ね。あの子じゃない?男たらしの坂下って子」


「へぇー。思ってた感じと違った」



そんなヒソヒソ声に、思わず立ち止まって振り返ってしまった。


背の高い、女子生徒の2人。


同じ階で見たことないから、きっと先輩だ。


雅先輩が言った噂は、私のクラスだけじゃなく、いろんなところで知れ渡ってるの?



ここも、人の視線が怖い…。


足がすくんで、その場から動けなくなった。

人混みに酔いそう…。

気持ち悪い…。




───ドンッ。



すると、誰かにぶつかる。