どうして…。


私はまた、緒方くんたちから離れなきゃいけないの?




「言っとくけど、他の友達から守ってもらおうとしても無駄よ?
その子達を傷つけたくなかったら、あんたが独りになるしかないの」




せっかく友達になれた、環ちゃんや皐月ちゃんとも…?


いやだよ…。



でも、みんなが傷つくのはもっといや。





「じゃあね」


ニッと笑ってる雅先輩は、キレイな髪をなびかせながら去って行った。




あの噂も、黒板の文字も、上靴がなくなったのも…。


全部、雅先輩のしわざだったなんて…。




……それよりも、みんなが傷ついてしまう。


私の大好きなみんなが…。



私はうつむきながら、涙を耐えた。



思い浮かぶのは…



『ハム子!』


笑って私を呼んでくれる、緒方くん。



グッと下唇を噛みながら、顔をあげて決意した。






───…みんなを守るために、私はみんなから離れる。