「おい、ハム子。聞いてんのか?」
ボーッといろいろ考えていた私は、緒方くんの声にハッとした。
「あっ!な……なんでしょう?」
背の高い緒方くんを見上げた。
わぁ…。
改めて見ると、すごい整った顔してる。
背も高いし、そりゃあヤンキーでもモテるよね。
女の子のお友達もたくさんいたみたいだし……。
私より多いなんて、羨ましい。
「お前、こいつのこと知ってるだろ」
そう言う緒方くんは、草むらの中を指さす。
私はなにかと思い、首をかしげ、指さされた場所を覗いて見た。
「にゃーっ」
そこには、ダンボールの中で鳴いてる白い猫がいた。


