「えっと……ごめんね?
じゃあ、今日一緒に帰る?」
「うん」
即答ですか。
今、うんって言うのに1秒もなかった気がする。
緒方くんは、嬉しそうに私から離れた。
まぁ、納得してくれたみたいだし良かった。
そして私は、開けかけていた自分の下駄箱のドアを開ける。
────パカッ。
「……あれ?」
上靴が……ない!
もう一度扉を閉めて、自分の下駄箱か確認。
確かに、〝坂下〟と書いてある。
誰か間違えたのかな?
いや、それはないか。
もう一回開けてみたけど、やっぱり上靴はなくて。
「どうしたんだよ?」
そんな私の異変に気づいた緒方くんが、同じように下駄箱の中を覗き込んできた。
「上靴がないの」
「はっ?誰か間違えたのか?バカだなー」
いやいや。
緒方くんに言われたら終わり……なんて、死んでも言いませんが。
まぁいっか。
とりあえずスリッパを履こう。


