1つ上の雅が、俺に目をつけてきた。
『翼って言うんだ。よろしくね』
急に声をかけられたけど、俺は見た瞬間、こいつは無理って思った。
ほっとけばいい。
だけど、相手にしない俺に、雅はせこいことをしてきた。
陸に近づいて、陸を利用したんだ。
『俺、雅が好きだ!』
そう時間がかからないうちに、陸は俺たちにそう言った。
でも、ふたりが付き合うことはなかった。
雅はただ、陸を利用して俺に近づきたかっただけなんだ。
雅のせいで、陸はいろんな奴を殴ったり、ある時はセンコーまで手を出そうとしていた。
『やめろ、陸。雅のことは諦めろ』
俺がそう言っても…。
『無理。俺があいつを守る』
あんな嘘くせぇ女に、まんまと騙されやがって。
これ以上、陸は雅と一緒にいてはいけない。
陸がダメになる。
だんだん変わっていく陸に、見兼ねた俺が出した答えは……。


