【完】ハムちゃんが恋したキケンなヤンキー君。






ブチッ。




今、聞き捨てならない単語が聞こえてきた。


おどおどしてるこいつに、本気でクリーニング代請求してやろうか迷った。






…とか言いつつ。


俺もらしくないことをしたと思う。





高校は、陸や雅たちと同じ制服だから分かってた。


だから、押し付けられた傘なんて、さっさと持ち主に返してしまえばいいと思ってたけど…。



あの猫缶女が、陸と知り合いだったなんて。



陸がこの女に必死になってんのを見て、俺は驚いた。



雅以外に、陸があんなになる姿を初めて見たから。




こんな、見た目ちんちくりんで、泣き虫な奴が陸を動かすなんて。


一体どんな奴なのか気になった。




が、フツーの女だ。


しいて言うなら、チビ。

ビビリ。


そして、天気みたいにコロコロ表情が変わる奴。




でも、笑った顔は初めて見た。