「翼…来てくれたの!?」
雅先輩は嬉しそうに、翼って人に近づく。
……あれ?
翼って、どこかで聞いたことあるような…。
「そんな訳ないだろ?
お前とは、もう別れたんだから」
えっ……別れた!?
……あっ!
もしかして、この前皐月ちゃんたちが言ってた…!
雅先輩の彼氏の、海堂 翼って人!?
「じゃあ……どうしてここに?」
その男性のひとことで、悲しげな表情をする雅先輩は、納得いかない声のトーンで聞いていた。
緒方くんは、私の肩を持ったまま険しい顔をしている。
「そいつに会いに来た。
前に傘借りて、この高校の制服着てたから、ここ来たら返せると思って」
雅先輩に説明するように、私を見つめるその人。
前に傘借りてって言ってたけど、私が押し付けただけなんだよね。
さっき、いい迷惑って言われたし…。
「キミ子ちゃんに…?」
ジッと見つめられ、思わずうろたえてしまう。
顔、あげられない…。


