「緒方くんは、雅先輩と帰ってあげて!!」 私はそう言うと、玄関を出て雨の中を走り出した。 泣きそうになるのを、必死に堪える。 「あっ!おい、待て!ハム子!!」 緒方くんの、走ってくる足の音が聞こえてきた。 とりあえず逃げろ!! ハムスターみたいな私は、ハムスターみたいに逃げ足だけは早くて。 パシャっと水たまりを踏んで、校門を出たときだった。 「あっ。やっと来た、猫缶女」 そんな声が聞こえて。 思わずその声の方を振り返ってしまう。