「お前が、坂下 ハム子だったんだな」
緒方くんはそう言って、私を上から下まで見たあと、プリントを担任の熊田先生に渡しに行った。
それを受け取る熊田先生はビクビクしてるし。
そんな光景を呆然と見つめていた。
だって……。
さっき、私のこと知ってるように言ってなかった?
いや、でも…坂下 ハム子って名前じゃないしなぁ。
人違い……?
なんでなんで!?
私の名前は、坂下 公子。
あっ。
縦書きに書いてあった公子の〝公〟って言う字を、
〝ハム〟って読み間違えたのかな……?
えーっと、それってだいぶおバカだよ!?


