「おい」 名前を書き終わり、シャーペンを置いたとき、 後ろから低い声が聞こえて、肩がビクッと震える。 おそるおそる振り返ると……。 ひぃぃぃっ!! いつの間にか、席を立って私のもとまできているこの人。 お……お……緒方さまが、めっちゃ睨んでますがなぁ!! 「…はっ……はぃぃっ!」 「そのプリント貸せ。持ってってやるよ」 「……へっ?」 思わぬ言葉に、へんてこな声がでた。 いや、だって…… てっきり、「てめぇ。俺様のを持っていけ!チビめ!!」 とか、暴言を言われると思ってたから……。