「緒方〜。梅雨の時期で、頭がハゲそうだからって、そんなイライラすんなよ」
屋上で、俺の隣でケラケラ笑ってるのは、中学の頃からのダチ。
吉田 テツタ。
下の名前がコンプレックスらしい。
「うぜー。ハゲねーよ!ばーか!」
テツタの言葉にさえ、イライラしちまう。
「最近、キミ子ちゃんに避けられてるよね?怯えられてるし。
なんかあっの?」
「……なんでもねーよ」
ただ、関わるなって言われただけだ。
だから、話しかけなければいいし。
なんの問題もねぇ。
だけど……
「なんでハム子は、テツタ達にはあんなに笑うんだ?」
俺にはめったに見せてくんねぇ。
めっちゃかわいい、あの笑顔。