【完】ハムちゃんが恋したキケンなヤンキー君。






「放課後、絶対に2号のとこに行くからな。来なかったら怒るからな。つーか、俺が連れて行く」




……なぜこんなにイライラしてらっしゃるの!?




「行くよ!行くから、怒らないで?」



私も普通に、猫ちゃんとは会いたいし。





「よっしゃ。決まりな!」




私の言葉に、怒っていた顔がうそかのように、緒方くんは嬉しそうに笑った。




そんな雑談をしていたら、いつの間にか担任の先生はいなくなっていて授業が始まる時間になってた。






「あっ」



まずい。


1時間目の数学の教科書、忘れた……。




あの先生、忘れ物にはうるさいんだよね。



はぁ……。

隣の人に、見せてもらおう。




「あの、すいません。
数学の教科書、見せてもらってもいいですか?」



私は、メガネをかけてる隣の席のガリ勉くんこと、田中くんにそう言った。